不動産業を開業したらレインズの利用がお薦め
不動産会社を開業する上で必ず導入をして方が良いサービスの一つにレインズがあります。
レインズは不動産仲介業者のみが利用できる不動産物件システムで、レインズは不動産会社を経営していく上でとても重要なサービスになります。
レインズの内容や特徴、メリットなどをご紹介しますので、レインズの導入を検討している方は是非、最後までご覧ください。
レインズとは
レインズ(REINS)とは、Real Information Network System(不動産流通標準情報システム)の頭文字を並べて名付けられ、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。
レインズを利用して賃貸・売買の物件を検索してお客様に物件を紹介をしたり、仲介する物件をレインズに掲載するして飼い主、または借り主を集める事もできます。
また、レインズには成約情報も掲載される為、売却物件の価格査定や賃貸物件の賃料査定をする際の参考情報として利用する事も可能です。
レインズの特徴
レインズは4つの地域で分かれている
地域ブロックごとに下記の4つのレインズが存在します。
レインズを利用する場合はそれぞれの管轄地域内のレインズを利用する事になります。
レインズは不動産業者しか利用できない
レインズは物件の詳細情報はもちろんの事、成約情報なども閲覧できる為、個人情報の観点から個人の利用はできず、不動産業者のみが利用できる事になっています。
物件情報を閲覧できる
レインズは物件情報を検索をする事ができるデータベースです。
スーモやアットホームが一般エンドユーザー向けの不動産情報ポータルサイトであるのに対して、レインズは不動産業者向けの不動産情報ポータルサイトという事です。
またレインズは販売図面や募集図面のダウンロードもできます。
物件情報の掲載ができる
レインズにはお客様から依頼を受けた物件情報を掲載して集客をする事ができます。
レインズを利用している殆どの不動産業者がレインズを利用しているため、自社にお客様がいなかったとしても他社からお客様の紹介を受けて成約に結びつける事ができます。
レインズの登録は宅建業法上義務化されている
売買物件の場合、媒介契約を売主と締結しますが、媒介契約を締結した日から5日から7日以内にレインズに登録をしなくてはならないという決まりが有ります(一般媒介契約を除く)。
レインズに物件情報を登録する事を義務化する事で、販売依頼を受けた不動産業者が自社のみの利益優先にならないように消費者保護を保護しています。
レインズへ物件情報を登録する事により、他の不動産業者にも物件情報を提供する事ができる為、早期成約に結び付きやすい仕組みになっています。
レインズの利用料金
レインズは物件情報を検索すると5円の利用料が発生します。1日に100回検索すると500円の利用料となります。レインズに物件を登録すると1件の登録に付き30円が差し引かれます。
不動産会社の規模によりますが、開業したばかりの小さな不動産屋の場合は1ヶ月1万円~3万円ほどのコストになります。
レインズを利用する為には?
レインズを利用する為には指定流通機構の会員であることが必要で、全国に4つの指定流通機構(東日本不動産流通機構、中部圏不動産流通機構、近畿圏不動産流通機構)が有ります。
指定流通機構の会員になる為には不動産業の団体(全国宅地建物取引業協会連合会、全日本不動産協会、不動産流通経営協会、全国住宅産業協会等)に所属していることが必要です。
不動産業を開業する場合はいずれかの団体に所属する事になる為、レインズの利用は所定の手続きを済ませれば利用する事が可能です。なおレインズの利用料金は所属する団体によって異なります。
詳細は各団体のHP等でご確認ください。
レインズを一般人が見る方法
原則としてレインズを一般人が見ることはできませんが、REINS Market Informationを使えば統計処理されたデータをみる事が可能です。
また、不動産会社へ売却を依頼すると依頼主の情報のみレインズで閲覧する事が可能です。
但しあくまで統計情報の為、不動産業者が閲覧できるレインズと比較すると個別の詳細な情報は無く、直近1年間の地域相場が確認できるというレベルです。
レインズを利用するメリット
不動産会社を営む上でレインズは必須の営業ツールと言っても過言ではないサービスです。
まだ導入をしていないという方がいらっしゃれば以下を確認してご検討ください。
物件情報を取得してお客様に紹介する事ができる
売買・賃貸の物件情報を取得する事ができる為、購入を検討しているお客様や借りたいお客様に物件情報を提供して契約に結びつける事ができます。
特に創業したばかりの時は自社で扱う売出物件や募集物件が少なく、収益を上げるのが難しいと思います。
そんな時にレインズを利用すれば、他社で売出中の物件や賃貸募集をしている物件をお客様に紹介をして契約に結びつける事ができます。
物件情報を掲載する事ができる
お客様よりご依頼頂いた売却物件や賃貸物件を販売したり、募集をする為に物件情報を掲載する事も可能です。
レインズは殆どの不動産会社が利用しているサービスの為、レインズに物件情報を掲載すれば不特定多数の不動産会社に物件を紹介する事ができます。
レインズには販売図面や募集図面を登録して、ワンクリックで物件資料をダウンロードできる仕組みになっているので、他の不動産会社は手軽に物件資料を取得してお客様に物件を紹介する事ができます。
成約情報を閲覧できる
レインズは成約情報も閲覧する事が可能です。
どんな物件がいつ、いくらで成約したかが掲載されている為、売却物件や募集物件の価格査定をする際の参考資料を取得する事が可能です。
但し、レインズの成約事例はかなり具体的に個人情報が含まれている為、情報の取り扱いには十分に注意する必要が有ります。
レインズに登録される物件の情報
レインズには物件の詳細な情報が掲載されます。
スーモやアットホーム等に記載されている情報はレインズにも記載されていますが、レインズでなければ確認できない情報もあるのでそれについて解説します。
元付業者の情報
スーモやアットホームなどにも物件の取り扱いをしている不動産会社の情報が掲載されていますが、掲載されている不動産会社は必ずしも売主から直接依頼を受けている不動産会社とは限りません。
業界用語では「先物」と言って売主から直接媒介契約を結んでいる不動産会社Aの許可を取って、不動産会社Bがインターネット等に物件情報を掲載して集客をする許可を得るという形です。
この場合は不動産会社Bは物件情報を借りているに過ぎないため、物件について詳細な情報を把握していない事が殆どです。
確かな物件情報と販売情報を確認したい場合は不動産会社Aに問い合わせる必要があるということです。
レインズに掲載される問い合わせ先の不動産会社は全て不動産会社Aのみとなります。因みにこの不動産業者Aの事を「元付業者」と言います。
レインズを閲覧すれば元付業者が分かるため、物件の詳細情報や販売状況などが確認し易いという利点が有ります。
販売・募集期間が分かる
掲載されている物件は「いつから販売されているのか?」もしくは「いつから募集されているか?」を確認する事ができます。
物件を紹介する際にお客様から「この物件はいつから販売(募集)されていますか?」と質問を受ける事が有ります。
そう言ったお客様の質問に対応ができるという意味でも役には立ちますが、販売(募集)期間が長ければ人気が無い物件だという事が分かるので、価格(賃料)の交渉余地があったり、物件に懸念事項があったりする場合が有ります。
他社の物件をお客様に紹介する際にある程の当たりをつけて、物件担当者に確認をしたり交渉をしたりする事もできるのでとても役に立つ情報です。
不動産仲介業者専門の不動産物件情報サービスのため、多くの有益な情報を得ることができます。不動産仲介業を開業したらまずはレインズへの登録と利用をお薦めいたします。