入居率アップに効果的!無料インターネット、無料Wi-Fiを導入するポイント
アパート、マンションの入居率アップの施策として、無料インターネット サービスがあります。
全国賃貸住宅新聞のアンケート結果でも、お客様が物件を選ぶポイントとして「無料インターネット」が第1位となっています。
コロナによるリモートワークで自宅でのインターネット環境が必要となり、アパート、マンションに無料インターネットが設備されているかが物件選びのポイントとして注目されています。
「無料インターネットの導入費用はいくらなのか?」
「どのような工事が必要なのか?」
「入居者が求めるインターネットの接続方法は?」
など、無料インターネット、無料Wi-Fiをアパート、マンションに導入するメリットや工事のタイプ、導入の際のポイントについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
無料インターネット物件とは?
アパート、マンションなどの物件にインターネット回線を設置し、ケーブルまたはWi-Fiを使ってインターネットが使用できるようにします。
これにより、入居者はインターネットを無料で簡単に利用することができます。
数年前までは、携帯のインターネットだけも良かった入居者も、最近はNetflixやYoutubeなどの動画や、テレワークによるZoomの利用などから自宅でも快適なインターネット環境が必要になっています。
アパート、マンションに無料インターネットが設備されているかが、物件選びの条件になってきています。
入居者が自腹でインターネットを契約すると月額約4,000円はかかります。
そのため、若年層の入居が多いワンルームマンションほど無料インターネット、無料Wi-Fiの希望が多い傾向にあります。
単に無料でインターネットができるだけでは入居率のアップは難しく、動画を快適に見ることができるインターネットのスピードが入居率アップ、競合物件との差別化の重要なポイントです。
ネット回線が遅いことでクレームに発展することもありますので、初期コストが多少かかってもインターネットが速い回線の導入をお薦めします。
無料Wi-Fiと無料インターネットの違い
インターネット無料物件のインターネット環境は、電波でインターネットに接続できる「Wi-Fi設備」と、LANケーブルでインターネットに接続できる「ケーブル接続によるインターネット設備」の2種類があります。
数年前までは、ケーブルでつなげるインターネットが主流でしたが、スマートフォンの登場からWi-Fi接続でのインターネットが一般的となっています。
ケーブルでもWi-Fi機器を導入することでWi-Fi接続によるインターネットができます。
そのため入居者にとってはインターネットの接続方法よりインターネットの速度を重要視しています。
無料インターネットをアパート、マンションに導入するメリット
昔と比べてインターネットをアパート、マンションに導入する工事費は非常に安くなっていますので、設備投資の費用も早い段階で回収することが可能です。
無料のインターネットを導入することで下記の3つのメリットがあります。
- 賃料のアップ
- 入居者の増加、空室率を減らすことができる
- 物件検索サイトでヒットしやすくなる
賃料のアップ
全国賃貸住宅新聞が行う人気設備ランキング「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」部門によると、単身者向け物件、ファミリー物件ともに第1位は「インターネット無料」でした。
- インターネット無料
- エントランスのオートロック
- 宅配ボックス
- 浴室換気乾燥機
複雑なインターネット事業者との手続きが不要で、入居と同時に手軽にインターネットを利用できる物件は入居者として魅力的なサービスです。
インターネットの月額平均の4,000円を目安に賃料アップの設定を検討すると良いでしょう。
入居者の増加、空室率を減らすことができる
全国賃貸住宅新聞によると「この設備がなければ入居が決まらない設備ランキング2021」で無料インターネットが3位を獲得しています。
- 室内洗濯機置き場
- テレビモニター付インターフォン
- インターネット無料
また「高速インターネットが9位」にランキングされています。
インターネットの設備が物件契約の決め手となっていますので、不動産仲介業者もお客様に無料インターネットが設備された物件の方が営業しやすくなります。
物件検索サイトでヒットしやすくなる
SUUMOやHOME’Sなどの物件検索サイトでは「インターネット無料」で検索するユーザーが増えています。
無料インターネットの物件が、物件検索サイトでも有利になることがあります。
例えば、新宿区弁天町で1Rマンションを検索すると21件がヒットします。
「インターネット無料」を検索条件に追加すると6件と、大幅に減りました。
検索結果の物件が21件から6件に減ることで、閲覧される機会が増え、競合も少なくなります。
失敗しないための導入ポイント
無料インターネット、無料Wi-Fiをアパート、マンションに導入する際の重要なポイントを解説いたします。
導入費用
部屋数や立地条件などによって異なりますが、アパート、マンションへのインターネット導入費用は10万円~50万円が相場になります。
簡単な導入方法ほど工事費が安くなりますが、インターネットの速度が遅くなる場合が多く「無料インターネットを導入しても入居者が増えない」「クレームが増えた」といった結果になります。
インターネットの速度を優先して、導入コストを検討するのが大切です。
月々の費用
ネット回線使用の料金と、プロバイダーの料金が毎月かかります。戸数にもよりますが月1万円~3万円が相場となります。
最近ではインターネットの速度も速く、月々のネット回線使用料金も安い通信事業者もあります。設置条件が合えば月々のコストを下げることができます。
契約で気を付けたいのが解約時の違約金です。契約の際には、初期費用、月々の費用、解約の費用の3つは必ず確認してください。
インターネットの速度
動画の視聴やオンラインゲームなどを快適に行うインターネットの速度の目安は30Mbps以上になります。
インターネットの速度を保証するタイプとして「低域保証」と「ベストエフォート」があります。
低域保証とは
低域保証は一定のネット回線速度を保証しますが、月々のネット回線使用料は高くなります。
ベストエフォートとは
ベストエフォートとは「最大限努力する」という意味で「ベストエフォート100Mbps」と書かれている場合は100Mbpsを上限として、0~100Mbpsのネット速度となります。
ネットの回線速度は保証されませんが月々のネット回線使用料は安くなります。
通信事業者によってはIPoE方式での接続ができるため、ベストエフォート タイプでも安定したネット回線となります。
日本のインターネットの速度は安定しているため、人口やマンションが密集していない地域であれば「ベストエフォート」タイプで良いでしょう。
インターネット導入の工事方法
アパート、マンションへのインターネット導入工事は主に2つの方法があります。
Wi-Fi共有型
アパート、マンションの共用部にWi-Fiルーターを設置して、各部屋へWi-Fi電波を飛ばす方法です。
工事費が安く工期も短いのですがインターネットの速度が遅いデメリットがあり、主に戸数が少ない2階建てのアパートに利用されます。
Wi-Fi共有型のメリット・デメリット
- 工事費が安い
- 工期が短い(最短1日)
- 各部屋の工事が不要
- インターネットの速度が遅く、入居者が不満を抱くことも多い
- 利用できる建物の目安は、木造2階建て、広さ40㎡まで
インターネット回線導入型
アパート、マンションの各部屋までインターネット回線を引く設置方法です。入居者はWi-FiまたはLANケーブルでインターネットができます。
工事費が高くなりますが、インターネットの速度が速いのが特徴です。
Wi-Fiルーター機能を壁に埋め込む方法と、Wi-Fiルーターを設置する方法があります。
壁に埋め込むタイプ
各部屋までインターネット回線を引き込み、各部屋の壁にWi-Fiルーター機能(LANケーブル接続)を埋め込む方法です。
Wi-Fi、LANケーブルどちらもインターネットを利用することができます。
インターネット回線導入 埋込みタイプのメリット・デメリット
- Wi-Fiルーター、LANの接続口が埋め込まれており、見た目がスッキリする
- Wi-Fiルーターを持ち去られることがない
- 建物の構造に依存せず導入できる
- 工事費用が高く、工期が長い
- 各部屋の工事が必要
マンションに無料インターネットサービスを導入する場合はこの方法が一般的で、当社もこの導入方法をお薦めしています。
Wi-Fiルーター設置タイプ
各部屋までインターネット回線を引き込み、各部屋にWi-Fiルーターを設置する方法です。
インターネット回線導入 Wi-Fiルーター設置タイプのメリット・デメリット
- 工事費用を安くできる
- 工期が短い
- 各部屋の工事が不要
- 部屋にWi-Fiルーターの置き場が必要
- 退去時にWi-Fi-ルーターを持ち去られることがある
アパート、マンションに無料インターネットを導入するタイミング
繁忙期の前に工事が終わるように、閑散期の11月~12月、または6月~7月に工事を行うのがお薦めです。
半導体、資材不足でインターネット導入工事がすぐにできない場合もあるため、余裕を持ってインターネットの設備工事を計画するのが良いでしょう。