改善コストが安い節水で、入居率、満足度を高める方法
アパート、マンションの入居率、入居者の満足度を高めるサービスとして水回りの改善があります。
水回り設備の中でも、コストが安く簡単に改善できるのが節水設備です。
現在、水道・下水料金は右肩上がりで高くなっており、自治体によっては高額な水道料金となっている地域もあります。
節水に関する入居者の意識や、節水設備を導入した際の効果などをご紹介いたします。
入居者の節水意識は高い
2021年に埼玉県で行われた「水の利用に関す意識調査」のデータから、住民の高い節水意識が分かります。
「常に節水に取り組んでいる」が26%
「どちらかというと節水を意識している」58.7%
となっており、84.7%の方が節水を意識して生活しています。
もともと日本人は節水・節電のエコ意識は高く、90年代に行われた節水調査とほとんど変わっていません。水を使う洗濯機や食洗機などの家電や、トイレ、シャワーなども節水機能が標準となっています。
物件の節水設備が入居率にも貢献
水道事業は地方自治体が独自で運営しているため、水道料金は地域によって異なります。
ひと月に20㎥を利用した場合、山梨県富士河口湖町は835円、北海道夕張市では6,841円と約8倍の金額差があります。
また、全国的に水道料金を値上げする動きもあります。
水道管の耐用年数は40年と言われており、全国には40年以上経過している水道管が多数存在します。新しく水道管を引き直す工事により水道料金の引き上げを行う自治体もあります。
今後、水道料金が値下げされることは無く、物件の節水設備の導入や改善が入居率にも影響を与えてくるでしょう。
「A物件とB物件では、ひと月の水道料が1.000円以上違う」
「年間で12,000円以上、5年住むと60,000円以上の水道料金が違う」
などは入居を検討している方には魅力的なセールストーク、キャッチコピーです。
費用対効果が高い節水設備
入居者の節水意識が最も高い場所が下記になります。
- 洗面 80.6%
- トイレ 62.3%
- 風呂 58.4%
「洗面」「風呂」は非常に安いコストで節水設備の導入、改善が可能です。
まずは洗面台やキッチンの蛇口の水を節水できる「節水コマ」、浴室の「シャワーヘッド」から節水の改善を行うことをお薦めします。
どちらも工事が不要で、コストをあまり掛けずに高い節水効果を発揮してくれます。
工事不要、水圧を下げない節水コマがお薦め
蛇口からの水の量を調整する時に使用されるのが「節水コマ」です。
水道局も推奨している節水対策器具の一つで、節水コマを利用することで最大で約50%の節水効果が期待できます。
節水コマは各社さまざまなタイプを発売していますが、節水コマを選ぶポイントは下記の2つです。
- 水圧が落ちない。または節水と水圧のバランスが良い。
- 設置作業が不要で、設置が簡単
水圧が落ちない節水コマ
基本的に節水コマは、水の量を減らすために水圧が落ちてしまいますが、節水コマの中には水圧を落とさずに、高い節水効果がある商品もあります。
水圧が弱すぎると入居者からのクレームになる場合もありますので、水圧が落ちない節水コマ、または節水と水圧のバランスが良い節水コマを選ぶ事が大切になります。
設置作業が不要な節水コマ
節水コマは主に2種類あります。
「蛇口部分に取り付けるタイプ」と「水口に取り付けるタイプ」です。
蛇口部分に取り付けるタイプは、15分~30分程度の取り付け作業が必要になります。物件の管理会社の方でも取り付け作業はできますが、一般的には専門のスタッフが行いますのでコストがかかります。
吐水口に取り付けるタイプは、吐水口に取り付けるだけで専門スタッフの作業は不要。作業コストが掛かりません。
お薦めは、吐水口に取り付けるタイプです。製品によっては水圧の調整も可能です。
節水の効果、費用などメリットが大きい節水コマですが、取り付けができない蛇口のタイプもありますので事前に確認が必要となります。
節水シャワーヘッド
賃貸物件でも入居者が節水シャワーヘッドを購入して利用しているケースは多くあり、入居者からの高いニーズがあることが分かります。
普通のシャワーヘッドと比較して、節水シャワーヘッドは30%~50%の節水効果があり、シャワーのガス代と合わせると一人暮らしでも年間で1万円近くの節約ができます。
節水シャワーヘッドが常設されているのは、物件を探している方には魅力的な物件になります。
浴室のシャワーヘッドも経年劣化します。シャワーヘッドを交換する目安は約5年~8年。
物件の入居中にシャワーヘッド、ホースにトラブルが発生すると対応に手間がかかりクレームにも発展してしまいます。
5年以上の入居者が退去した際には、シャワーヘッドやホースの交換も物件のメンテナンスとして行うことをお薦めいたします。
節水コマ、節水シャワーヘッドなどの節水商品は水道代が高い自治体エリアの物件には特にお薦めです。安いコストで競合マンション、アパートよりも入居率を上げる効果が期待できます。